猛暑と残暑と異常な蒸し暑さ…
- 康生 沖
- 2024年10月27日
- 読了時間: 5分
更新日:2025年1月2日
2024年の夏は、異常な暑さでした。
地球温暖化の影響なのか…、年々、夏の暑さが増しているように感じます。

2024年8月6日撮影(10日以上、日照り続きでした)
今回は、花の病気と言うよりも、温度と根の関係について述べてみようと思います。
植物が生きて行く上で、最も重要な部分が「根」だとも言われます。人間が食事をしなければ、餓死してしまうのと同じです。
植物の種類によって、根の形状や、水分を吸い上げる力、また、微生物と共生など様々ですが、日本国内に自生している植物の多くは、地球上で稀な、豊富な水と温暖な気候で育った植物達です。
このように、日本国内で普通に育つ植物は、樹木でも草花でも、18~23℃が根の適温だと言われています。この温度は、井戸水の温度の年間平均15℃(東北以北はもっと低い)より、少し高い温度になります。これは、土が断熱材の役割をして、直射日光を遮り、地中の温度が一定になるためです。ちなみに、私の畑の地下12mから汲み上げる井戸水の今年の真夏の水温は、約20℃でした。
では、植物の根は、暑さと寒さ、どちらに強いかというと、植物の種類によって大きく異なりますが、日本国内に自生している植物の場合には、暑さに弱く、寒さに強い、という植物が多くなります。
昨今、園芸店などで販売されている様々な植物は、寒冷地よりも温暖もしくは熱帯地域の植物が多く、また、砂漠地帯などの植物も多く販売されています。従って、それらの植物は冬に枯らしてしまう場合が多く、霜に当たって枯れた、という言葉をよく聞きます。
昔から庭木などとして植えられている植物は、雪が降っても、霜に当たっても、まず枯れることはありません。ウツギの苗などは、霜柱に押し上げられて根が露出し、地表で凍った状態からでも、翌春は復活して新芽を吹かします。
バラも、寒さには強い植物で、寒冷地や降雪地帯でも枯れずに越冬する品種もあります。
バラの根は、何度まで耐えられるか…!
多くの植物の場合、36℃が限界だと言われており、バラも同様だと感じています。私の畑では黒いビニールポットに植えた苗が多く、これ以上の温度になると、毛根が無くなったりする状態を何度も確認しています。

暑さで枯れた苗です。地表から10㎝の深さで、日陰側で39.1℃、日向側で46.6℃を観測しました。これらのビニールポットは大きさが24~30㎝程度なので、温度上昇が半端ないです!



これら3枚の写真は、親株を植えてある直径50㎝、容量が60リットルの、ブルーベリーなどを植える大きなプラスチック製の鉢で、すべて同じ鉢で計測しています。中央部は株の東側、外周部は南西側の日が当たっている方角を測定してみました。中央部は気温より下がっていますが、日が当たっている場所は10℃ほど高くなっており、限界温度を通り越しています。
なぜ温度が上がると根が傷むのか、私の畑には無菌室などがないので、大学や専門機関のような研究はできませんが、バラの根にも菌根菌という糸状菌が共生しており、毛根にまとわり付くような形で土の中に伸びています。この菌根菌の適温域は15~25℃で、その温度を超えると、活動を停止したり、死滅したりします。そして、その死骸は他の糸状菌や放線菌によって分解され、そんな暑さに強い一部の微生物は弱った毛根も分解しようとする姿が想像できます。これが、暑さによって根が枯れる原因だと、私は勝手に思い込んでいます。
2024年の夏から秋にかけては、異常気象と言えるほどでした。私の畑では朝から夕方まで、直射日光が降り注ぐので、防草シートを張った地面も、ビニールポットも、黒い色の物は熱を吸収して触れないほど暑くなります。なので、上記の写真の枯れた苗は全部で約150鉢が枯れてしまいました。昨年までは、枯れても10鉢以内だったので、今年はちょっと驚きです!
以上、いろいろと述べましたが、バラをはじめ、植物は地植えにするのが最も良い育て方だと言えます。井戸水の温度からも理解できるように、そもそも自然界では地面の下の温度が低い場所に根を張って生きているのですから…。でも、人間は自分本位で、鉢植えで植物を育てようとします。盆栽などは究極の人工的植物だと言えます。
そんな人工的植物としてバラなどを鉢植えで育てる場合には、水の管理以外にも、温度も管理しないと枯らしてしまう原因になりますので、注意が必要です。
ぜんぜん話が変わりますが、高知県内はビニールハウスで夏野菜を冬に栽培するのが盛んに行われています。そして、一部の農業者、本当に…ほんの一部のこだわりのある農業者は、与える水の温度まで管理して、冬はヒーターで温めたりします。逆に、そんな温度と根の関係を考えていない農業者は目先の利益に惑わされて、まだ暑さの残る時期に定植時期を早めて、地温や水温が高いがために、木ボケしてしまったり、病気が発生したりします。
特に高知県では地球温暖化の逆を行く、二酸化炭素発生装置をビニールハウスに設置することを補助金を出して奨励しており、こんなバチ当たりとも言える二酸化炭素発生装置を設置している立派なビニールハウスでは、設置していないハウスよりも木ボケしてしまった夏でした。肥料や温度などの関係性を知っていれば…、気温が高くて肥料分が溶け込んだ水を根が良く吸い上げ、そこに二酸化炭素がたくさんあれば、当然、木ボケすることが予想されます。農業高校の学生でも理解できるでしょう…。農協や県の指導員は、作物が増収になっても減収になっても、責任問題にはなりませんから…。いずれにしても、余談でしたが、熟練?農家でもこんな失敗をします…。



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